2022/1/12更新">
2021年11月1日~7日に開催しました、国際セミナー「心地よい生活を支えるしなやかな社会の創造」の視聴者からいただいた質問について、講演者と事務局からの回答を掲載いたします。
➀公園利用の促進には、積極的に誘導することが必要とする論文やガイドラインはありますか。
ニューヨーク市が2010年に『アクティブデザインガイドライン』を、スポーツイングランドも2015年に『アクティブデザイン』というタイトルのガイドラインを公表しています。いずれも街の構造と市民生活のマッチングに焦点を置き整備とコミュニティの形成に配慮しています。また、アメリカの非営利組織アクティブデザインセンター(CfAD)は2018年に、公園を中心とする公共空間の利用促進に関するガイドラインを公表しています。
②ロンドンナショナルパークシティの実現では交通への影響が大きいと思われますが、ルートの代替などにかかる整備費をどのように賄っているのですか。
ロンドン中心部は元々近代の車社会に対応できる構造でなく、乗り入れ規制が実施されてきました。公共交通機関の充実で域内の移動を支えています。スポーツイングランドのアクティブデザインにおいても一般車両の利用に対しては一方通行などで規制して、アクティブトランスポート(徒歩や自転車の移動)を選択するように市民を誘導しています。
道路や橋などの整備にあたっては、健康便益評価法を導入してその効果がある場合に優先的に整備を進める仕組みが確立されています。大ロンドン庁は2020年コロナ禍において、鉄道に阻まれ隣接する公園にアクセスできない地域に対して緊急の工事予算が確保され、公園へ渡るための陸橋を建設しました。
③WHOの都市緑地に関する行動要綱(Urban green spaces:a brief for action)について日本語訳の予定がありますか。
今回の国際セミナーの反響を受けて、WUPジャパンは日本語版の発行に向けてWUP本部と連絡を取りました。WUP本部は、日本語と合わせてスペイン語の発行を決め、WHO欧州にパンフレットの発行に関する許可契約の手続きを進めています。2022年の早い時期に日本語版を皆様に届けることができると思います。(英語版はこちら)
④WHOが提供するGISソフト“GreenUr”の日本語版の予定はありますか。
英語版しかありません。日本でのGreenUrを使用した研究計画があれば協力は可能です。現在WHO欧州は、メキシコ政府からの依頼を受け6都市で調査を実施しています。