公園処方箋

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公園処方箋

適正運動強度

適正運動強度とは

適正運動強度とは、楽しくおしゃべりができる運動の強さで、きつくもなく、ゆるくもなく、効果的に体力を向上できる運動強度です。

適正運動強度はなぜ良いの?

運動は「きつい」ものでなければ効果がないというのは間違いです。きつい運動をしなくても効果的に全身持久力(体力)を増進させることが注目されています。様々な研究の結果、適正運動強度での運動を行うと、ゆるい運動やきつい運動では得られない、①いわゆる健康遺伝子(PGC1αなど)が活性化させる、②毛細血管の増進が図られ血圧が下がる、③脳が活性化される、④善玉コレストロールを増加させる、といった効果があることが報告されています。

適正運動強度とカラダの働き

適正運動強度は、有酸素運動ができる最大強度で、この付近の強度の運動では、呼吸も乱れず心拍数もさほど上がりません。この強度を超えると急に呼吸が荒くなり心拍数も高くなります。これは、有酸素運動から無酸素運動へ変わり、それまで糖と脂肪を1:1の割合でエネルギー生産していたのが、糖だけの生産となって副産物の乳酸がつくられたためです。血液中の乳酸濃度が高くなると中枢神経が刺激されて呼吸が早くなり、心拍数もあがります。ヒトはこの状態をきついと感じます。きつくない運動の最大強度が適正運動強度です。
アスリートや若者など体力のある人は強い運動が適正運動強度となり、体力のない人の適正運動強度は弱くなります。また、運動を習慣化することによって、適正運動強度を上げることができます。

生活のなかの運動習慣を知る

日々運動不足で生活習慣を変えたいと感じている人でも、自分にとってどれくらいの運動が必要で、日常生活ではどの程度できているのか、ということを知るのは意外に難しいことです。そこで、私たちはこれを簡単に知るための運動習慣記録アプリ“公園処方箋”を開発しました。
これは、スマートフォンのモーションセンサーを利用したアプリで、日常の活動を記録するとともに、適正な運動強度※による運動をどれくらい実施しているのかを可視化することができます。

日々の運動を記録する

運動習慣記録アプリ“公園処方箋”と、これまでに多く出回っている歩数アプリやカロリー計算アプリとの違いは、その人の適正運動強度(METs)を簡易測定により登録しておくことができ、その強度にあたる運動を何分実施したかがわかることです。
例えば、ある人の適正運動強度が5METsであれば、1日に1万歩を3時間で歩いたとき、歩数計では同じ1万歩でも、“公園処方箋”では階段を昇ったり坂道を上ったりした時間だけが適度な運動と判断されます。これが30分であれば、この日1万歩をあるいた3時間のうち30分が適度な運動となります。

生活サイクル図

運動習慣を身につける

体力を維持向上するために必要な適正運動強度の運動時間は週3時間とされます。適度な運動の時間が可視化されることで、体力の維持向上に効果のある運動に取り組む意識づけが期待でき、効率的に運動の時間を確保することも可能となります。30分の適度な運動を毎日続ければ、週3時間の目標を達成することができます。
日々の運動習慣を記録し、効率的に体力の維持・向上を目指しましょう。

公園処方箋とは - 運動を自ら処方する -

処方箋といえば、病院を受診し医師が薬を処方するためにつくる文書のことをいい、これによって薬剤師が薬を調剤します。「公園処方箋」はこれにならい、‘運動不足の人への公園での運動「処方」’ということを表現したものです。
ただし、公園処方箋を受けとるのは健康を損ねてしまった人だけではありません。健康を損ねる前に運動習慣をつけてもらうため、自ら気づき、「適度な運動」を自ら処方することが大切です。健康な人がそれを維持するために、生活習慣を通じて運動を自ら処方するのが「公園処方箋」です。

 

運動習慣記録アプリ“公園処方箋”

■運動習慣記録アプリ“公園処方箋”のインストールはこちら(iPhone用アプリ)。
「公園処方箋」インストール

 

公園処方箋Facebook

アプリの使い方や適正運動強度などの情報を発信していきます。

 

公園処方箋の活用

現代の成熟した文明都市に生活する私たち、とりわけ体力のある若い世代にとって、日常的な街歩きで適度な運動を得ることはとても困難です。高度経済成長期以降、現代のわが国の生活はあまりにも「楽」な移動を提供し、自らの足による昇降を極力少なくし、子どもたちの徒歩による通学距離も大幅に減少させてきました。一方で同時期から生活習慣に起因する糖尿病患者は急増し、300万人から、いまでは予備軍を含め2,000万人を超えるといわれています。
運動習慣記録アプリ“公園処方箋”で、まずは自分の日常生活での運動サイクルを知りましょう。運動が必要と感じたら、どこですべきか考えてみてください。
安全快適で誰にも開かれた「公園」が思い浮かびましたか?

海外の事例―Park Prescription

アメリカのゴールデンゲート研究所が率いるParkRXでは、医師が運動不足に起因する疾病の患者(特に子どもたち)に公園での運動を処方するPark Prescriptionを始めています。私たちはこの取組を参考にしながら、治療ではなく予防の段階から公園での運動を勧めていきます。

 

※「公園処方箋」は、株式会社公園マネジメント研究所の登録商標です。

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